こんな増田が話題になってます。
僕も先月に「ディアスポラ」を読み終わったところだったのでちょうどよいネタ。

- 作者: グレッグ・イーガン,山岸真
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: 文庫
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この作品はマジで面白い。序盤はやや難解ですが、傑作だと思います。
- 一人の「個人」であることを満たす要件とは何か?
- 誰かが「存在する」とはどういうことなのか?
についての一つの考え方を垣間見ることが出来ました。
もし機械の脳が実現したとして
あなたは不治の病に侵されて余命半年とします。「なぜ俺がこんな目に…」と世界を呪う日々。
そんなある日、聞いたこともないような小難しい名称の研究所から、一人の研究者がやってきました。
「機械の脳を実用化しました。精神をコピーすれば不老不死も可能ですし、コピー先は外見があなたと瓜二つの生体ボディです。ぜひ被験者になって下さい。」
あなたは大喜び。
自分の精神をコピーすれば病を克服!むしろ永遠の命がこの手に!やったー!!
ぜひ俺を被験者にしてくれ、と二つ返事をするわけです。
しかし現実は甘くない
そんなハッピーエンドにはならないわけです。
精神をコピーしたら何が起きると思いますか?
…さて、コピー作業が終わり、麻酔が切れて目覚めたあなたが見たものは2つ。
- 「相変わらず余命半年のままの哀れな自分」
- 「他者から見たら完全に自分そのものに見える、自分ではない誰か」
ただそれだけ。
外見、立ち振舞い、記憶が完全に自分と同じなら、他者から見たらそれは実質的に、あなた以外の何者でもありません。
ここにあなたは病気を克服し、永遠の命を得ました。おめでとうございます。
ただし他者から見たら。
あなたはそのコピーを恨むでしょう。
「あいつは俺が過ごすはずだった幸せな日常を取り戻してやがる…本当の俺はここだ!!あいつはニセモノなんだ!!」
という具合に。
さて、ではこのコピーは何者なのでしょうか?
こんな観点の作品、誰か教えてください
ディアスポラはそういう話ではないんですよね―。
色々探してみたのですが、僕のグーグル力では見つけられませんでした。
個人的に近いと思っている作品
SOMA
Steamのホラーゲームです。 ややネタバレですが、物語の終盤で、上記のような葛藤に主人公は直面することになります。
弟者兄者のプレイ動画はこちら。 www.youtube.com
AIの遺伝子
山田胡瓜さんのマンガです。ITmediaの記者から漫画家へ転身したという変わった経歴の持ち主です。

- 作者: 山田胡瓜
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2016/04/08
- メディア: Kindle版
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試し読みできる第1話がそんな感じの、自我同一性に関する話です。
追記
この日記を書いた2時間後にふと「機械の脳」でググったら即出てきました。
なんかすいませんでした。
更に追記
「順列都市」を読み始めたのですが正にそんな話でした。

- 作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1999/10
- メディア: 文庫
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