(注:このブログはもう更新していません)この日記は私的なものであり所属会社の見解とは無関係です。 GitHub: takahashikzn

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人間は非現実的な体験をすると恐怖を通り越すのか

本日、友人のN君に誘われてスカイダイビングに行ってきました。

お願いしたのはこちらの会社。

http://www.skydivefast.com/

主催しておられる鎌田さんは、延べ9,000回もダイブしたという国内有数のプロです。

まず現地へ行くのが大変

大利根飛行場という、恐るべきアクセスの悪い場所へ朝9時に現地集合でした。 (※どうやら予約すれば送迎有りのようですが、この時は知らなかった)

車がないとまず到達不可能。僕らはタクシーで行きました。最寄りの安食駅から20分ほどかかります。ちなみにこの日は朝5時半起き。

何があっても知りません(お約束)

本日は快晴。まるでピクニックに来たかのようです。

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そして早速、必要書類を記入します。

この手のエクストリーム・スポーツではお約束ですが、「何があっても主催者側に責任を問いません」という誓約書へ捺印を求められます。その他に緊急連絡先も必要です。

この場合の「緊急事態」とは一つしか当てはまりませんが、そういう通知の行き先なので通常は両親になるでしょう。

せーの、でエビ反り!

セスナのドアに腰掛けて飛び降りる練習をします。この画像は友人N君の練習風景です。

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内容はこんな感じ。

鎌田さん:「はい、ドアから飛び出して上を向いてせーの、でエビ反りのポーズ!!」

友人N君:(ドアからピョン!と飛び出して上を向く)

鎌田さん:「うーん…もうちょっと上を向けるかな?」

鎌田さん:「じゃあもう一度やってみよう!はい、ドアから飛び出して上を向いてせーの、でエビ反りのポーズ!!」

友人N君:(ドアからピョン!と飛び出して、先程よりやや上を向く)

鎌田さん:「うん、今度はいいね!じゃあ練習終わり!」

横で見ていた僕:(…は? これで終わり?)

という極めて簡単な練習を30秒やっただけで終わります。


「今から飛び降りるってのにこんな練習で大丈夫か…?」

と不安がよぎりましたが、ここは敢えて

「こんな簡単な練習で問題ないほど安全が確立されているんだ!」

とポジティブシンキング。それで落ち着くものだから人間って単純です。

上空2,000メートルからのバンジージャンプ

まず一人目のS君が早速トライです。上空2,000メートルから飛び降りるわけですが、この高度はセスナで10分ほどで到達します。意外と早い。

で、よーく見てると黒い点が見えてきます。 f:id:takahashikzn:20150620200330p:plain

更に10秒ほどすると人の形をしていることがわかります。 f:id:takahashikzn:20150620200443p:plain

飛んでいる姿はこんな感じです。 f:id:takahashikzn:20150620200713p:plain

最後はスライディングで着地。 f:id:takahashikzn:20150620200755p:plain

『もう帰りたい…』

すぐに自分の番が回ってきました。

例の『飛び出して上を向いてせーの、でエビ反り!!』の練習を30秒やったら即フライトです。 心の準備期間は与えられません。


一番辛かったのは飛行機で上空2,000メートルへ上昇している時です。 セスナのドアは開けっ放しなので、肉眼で地表が確認できるわけですが、まあこんな感じ。 残念ながら携帯電話やカメラの持込は禁止なのでイメージ画像です。

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「え…?マジでここから飛び降りるの?死ぬでしょコレ?」

と本能が拒否反応を示し始めます。 パラシュートがあるから大丈夫なんて理屈は、動物の本能に通じません。

そしてセスナは時速200キロ以上で飛んでいるわけですから、風圧もヤバイ。息苦しいほどです。 飛び降りたら呼吸できないんじゃないか?と本気で思いました。 イメージとしては、高速道路を走行中の車で上半身だけ身を乗り出して、真正面を向いた時の感じです。


正直に言います。『もう帰りたい。無理。』というのが本音でした。 一番怖いのは間違いなくセスナでの上昇中です。

ここでギブアップして帰る人もきっといるんじゃないでしょうか。

突き落とされる

「そろそろ行くよー」と声がかかり、とうとう身を乗り出します。上の画像みたいに。

今回はタンデムなので鎌田さんに全部お任せです。僕はぶら下がってるだけ。


「だけど僕が訓練通りに出来なかったら事故になることだってあるわけで、可能性はゼロでないわけで、あぁもうどうしよう…」


という逡巡を許される間も無く、問答無用で突き落とされます。それはもうストーンと。 掴まることもできない(※ハーネスをしっかり掴んでろと言われる)ので抵抗しようも無い。

その後はこの動画のような展開になります。頭から逆さまに落ちていくので、上を見あげると地表です。

「コレはもしかして夢なのか…?」

僕は結構、空を飛んでいる夢(※ドラゴンボール的な意味)を見る事が多い体質なのですが、 実際にリアルでそれを体験してみると、脳が

「…あれ?コレはいつも見ている夢なんじゃないか?」

と言う風に、現実を受け入れることを拒否するようです。


ただ単にスーッと降りていく。まるで動画を見ているような感覚。

「いま落ちている!!死ぬ!!」

という五感への本能的フィードバックは不思議とありません。 むしろ遊園地のフリーフォールのほうが、中途半端に現実感があり怖い。


そういうわけで全く平気だったので、むしろ状況を楽しむ余裕さえ生まれました。こんなに心から楽しいと思ったのは久しぶりです。


言葉で表すと、

「なんじゃこりゃぁぁぁ!!! うぉぉぉおもしれ〜〜〜ぞ!!!」

という感じです。語彙力が無くてすいません。 でもきっとあなたもこう感じるはずです。本能的な喜びなんだもん。


実際にはフリーフォール(自由落下)時間は僅か10秒程度なのですが、すごく長く感じました。体感的には30秒くらい。 アドレナリン放出しまくりで脳が加速されて『ザ・ワールド!!』状態になったんだと思います。

フリーフォール後

10秒位でパラシュートが開き、あとは上空1000メートルからの360度パノラマビューをゆっくり楽しむことになります。ここから地表まではおよそ5分。

今日は快晴だったので、都内の高層建築物も全部見えました。 新宿副都心とスカイツリーが目印になります。

パラシュートでターンしながら目的地に向かってフラフラと降下していくわけですが、 予めお願いすれば「よりスリルを感じる」ように落下気味にターンするやり方もあるようです。

実はこれをお願いしようと思っていたのですが、景色に夢中で完全に忘れてしまいました。

そうこうしているうちに、着地体制に入ります。 足を前に突き出してスライディング着地するだけで、難しいことは一切無し。

総評:また行きたい

個人的には是非また行きたいと思いました。1回4万円ということで安くはありませんが…

スクーバダイビングをやる人だったらきっと理解できると思うのですが、『初めてのダイブ』の感動ですよコレは。(※僕はPADIのライセンス保持者です)

初めて潜った時、きっと言葉では表せない本能的な感動を得られたのではありませんか? それと同じだと思いました。

そういうわけで、そのうち誰かを連れてもう一度行こうと思います。

一人じゃ出来ないもん!!

一緒に行った友達N君には

「今度は単独でダイブしよう!」

と誘われました。どうやら2日もあれば、単独ダイブのライセンスを取得できるようです。

だけどそれはちょっと勘弁して下さい。無理。

自分であの高さから飛び降りる度胸はまだ無い…