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この日記は私的なものであり、所属会社の見解ではありません。 GitHub: takahashikzn

ジャスミンソフト贄さんとの対談

MOD99

先日、ヒューマンセントリックス(http://www.humancentrix.com/)社長の中村さんの計らいで、
ジャスミンソフトの贄社長(id:ynie)と対談する機会を頂きました。


正直な所、最初は戸惑いもありました。
ジャスミンソフトさんの製品Wagbyは、弊社のMOD99と真っ向から競合する製品だからです。
なんだか腹の探り合いみたいな話に終始したらどうしよう、と思ったりもして。


しかし実際にお話ししてみて、そんな戸惑いは杞憂でした。
贄さんはとても気さくな方で、隠し事もなく様々な意見交換をさせて頂きました。

あと10年以内に世界は変わる

贄さんと僕、結果として非常に似通ったコンセプトの製品を作っており、
だからなのか昨今のSIに対する考え方は完全に一致しています。
一言で表すと「いまのSIのモデルは歪みきっており、崩壊寸前である」ということです。


少々言葉が悪いですが、いわゆる『IT土方』という言葉に代表されるように
一山いくらの値付けでエンジニアを右から左に流すだけ。
そういう商売が横行している世界なわけです。でも、それももう限界が近い。


クラウドコンピューティングに代表される技術(というよりも一種の『ムーブメント』)の台頭により、
ITは完全にコモディティ化しました。
いま現在、1,000万円以上もシステム開発に出せる、もしくは出す価値があると思うエンドユーザーは
みるみる減ってきているわけです。
僕は、今後10年以内に、単に人を派遣するだけのSI企業*1
ほぼ絶滅するのではないかと考えています。
いや、むしろ絶滅させなければならないと思います。


この業界、一山いくらの世界だから誰でもウェルカム。
そうして、心と体を消耗させられたらお払い箱。
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
のような世界は決して笑い話ではありません。
本来、システム開発とは専門のトレーニングを積んだエキスパートだけが
行うものだったはずなのに、いつから、根性だけで勝負する世界になったのか。


従来のSIモデルの代わりに台頭してくるのが、
大量人員を投入した力勝負のSIではなく、技術を活用したスマートなSI*2です。
インフラやパッケージアプリケーションを適用するシーンではクラウドが、
スクラッチからのアプリケーション開発シーンではWagbyやMOD99のような
自動生成技術が今後の開発の主戦場になるでしょう。


ざっくり言ってしまえば、どんなに優秀なエンジニアが束になっても、
自動生成技術を使った開発スピードには勝てません。
そして、開発スピードが速いほうが、より良いアプリケーションを作り上げることができます。
エンドユーザーのフィードバックをより多く取り入れられるからです。

万一、優秀なエンジニア軍団が開発スピードで勝つケースがあるとしても、
開発フェーズだけですら*3、自動生成技術とのコスト勝負では絶対に勝てません。断言します。


もちろん、総力戦を行わなければならない大規模エンタープライズ系は
従来通りの形で今後も残りますが、これは今現在のところ我々とは関係がない市場なので議論はしません。

我々の現状

。。。とまあ、このように思いの丈をぶちまけたところで我々自身を見つめてみると、
確かに、WagbyやMOD99のようなシステムの完全自動生成技術は
まだまだメインストリームに乗れていない、と言わざるを得ません。


両製品とも、どこに持って行っても恥ずかしくない完成度を誇る製品ではあるものの、
市場に受け入れられていない理由は別のところにあるようです。
たとえ、GmailGoogleカレンダーのような超リッチWebアプリケーションが
完全自動生成できるようになったとしても、市場の反応は大きく変わらないだろう、
というのが贄さんと僕の共通認識です。


というわけで、本来ならWagbyとMOD99は真っ向から競合するはずですが、
今はまだ競合すらできるレベルではないため、むしろお互いに力を合わせて
マーケットを拡大していく必要があります。


今はまだ、地道にコツコツと実績を作っていくしかない。
いつか来るその日のために。。。!!

ちなみに

GeneXusに対する僕の見解は、贄さんと全く同じです。

*1: いわゆる『IT系人材派遣会社』と呼称される企業

*2: 本来ならSIは技術的なアクティビティなのに、『技術を活用したスマートな』なんて皮肉にもなりませんが。

*3: システムのライフサイクルでみると、ランニングコスト(機能追加・改善を含む)は開発コストよりも大きい。